ライドシェア(タクシー)アプリまとめ【国内・海外】
ライドシェアとは、”車を持っていて運転ができる人”と”車に乗せてほしい人”とをマッチングする、まさにライドを「シェア」するサービスです。
車を持っていて運転ができる人は、自分の車・空き時間というリソースを活用して収入を得ることができます。車に乗せてほしい人は、他の交通手段が存在しない、あるいは不便な地域や時間帯でも、便利に移動することができます。または、首都圏等であれば、タクシー等の既存の交通手段よりも安い値段で移動できる場合もあります。
国内外問わず、たくさんのライドシェアアプリがリリースされていて、料金はもちろん、システムが画期的なのです。
今回は、いくつかアプリを取り上げ、違いやそれぞれの特徴についてまとめてみようと思います。
Japan Taxi
Japan Taxiは日本交通の関連会社で、タクシー配車アプリの「全国タクシー」を運営しており、1月22日、相乗りタクシーの実証実験に参加するため、公式アプリをリリースした。アプリ名は「相乗りタクシー」といいます。
このアプリは、ユーザーが乗り場と行き先を指定することで、付近にいる同じ方向への相乗り希望ユーザーを検索してマッチングしてくれます。乗車位置や、降車位置が離れすぎているユーザー同士や合理的なルートを通れないようなときは、相乗りが成立しないようになっているので、必ず通常のタクシー料金より安くなる仕組みになっています。
支払いもスマートで、アプリに登録されたクレジットカードにて行えます。初対面の知らない人同士で相乗りしても、勘定割りをする必要もなく、ストレスなく支払いができます。
料金的が安くなる良い面もある一方で、デメリットもあります。相乗りする人を選ぶことができなかったり、目的地・ルートの変更ができません。また、同乗者に自宅を知られてしまう可能性もあり、利用する人としない人が激しく分かれると考えられます。料金重視であれば、なかなか良い交通手段の1つだと思います。
CREW
CREW(クルー)は、“乗りたい人”と“乗せたい人”を繋げる移動のCtoCアプリです。マイカーで走るCREWパートナーに、好きな場所まで送ってもらうことができます。
CREWの特徴の1つとして、ドライブ終了時に、CREWパートナーとCREWライダーが相互評価するシステムを導入しています。また、実費分とは別に謝礼の支払いができるようなサービス設計も行っています。お互いが、相互に評価しあって、より良いライドシェアサービスになるように作られていることがわかります。
また、トラブル対応のため24時間のカスタマーセンターも設置してあります。サービス中の車両の破汚損については、運営に連絡を推奨しており、提携先であるファースト東京株式会社と連携のうえサポートしてもらえます。(破汚損に関しては、原則当事者間でのやり取りが基本ですが修繕費用の算出などのサポートは行ってくれます。)このように、日本らしい心配りが所々に見受けられるサービスになっています。
nearMe.
ライドシェア(相乗り)したい人のためのアプリです。
目的地の方向が一緒な人同士がマッチングし、タクシーの運賃をシェアして支払うという新しいアプリですね。
タクシーに乗ってからは普段乗車しているのと同じで、最終目的地に着いたら会計をします。最終降車になる人が全額分支払いをし、途中で降りた人は、アプリで提示されている金額を最後まで乗っていた人に支払うというシステムです。
お互い安い金額で移動できるので、相乗りを気にせずできる人にとってはかなり良いサービスになるはずです。
Uber
やはり、ライドシェアで1番有名なのは、Uberです。実際に使ったことがある人もいると思います。Uberは、2009年にアメリカで誕生し、2014年8月より日本上陸しました。東京都を中心に、日本国内においてもサービスが広がっています。
約4年も前から日本にあるのですが、サービスの質が良いタクシー文化の日本では、まだまだUberを使う人は少ないのかもしれません。日本を含めて世界58カ国以上の国で展開されており、さらに200万人以上のユーザーに使われています。
浸透している理由としては、主に3つです。1つ目は、やはり車を呼ぶのが簡単だからです。アプリ内の現在地表示のおかげで言葉が通じなくても場所の説明が不要で、どれくらいで車が到着するかも一目でわかります。
また、ドライバーの名前や車両の情報も見ることができ、乗る前からドライバーの顔なども見れるので安心です。
2つ目は、会計です。海外で驚かれているのが、このおおよその見積り料金を確認することが出来るシステムです。Uberでは、予め都市ごとに料金が設定されているので、乗車前に料金を確認できます。自分のいる場所と目的地を入力することですぐにおおよその料金が表示されます。
また、クレジットカードを使えるので、料金のトラブルやぼったくりなどおきにくいシステムを導入しています。Uberの会員登録をする際に登録したクレジットカードで乗車料金の支払いをするので、降車時にクレジットカードを見せる必要もないですし、領収書も降車後にメールで送られてきます。
3つ目は、豪華な車が多いことです。日本のタクシーは古いクラウンが主流です。一方、Uberで採用されている車の多くはベンツやBMWなど高級車の車が多いです。デートや高級感を味わいたいときに使うのもいいかもしれません。
Lyft
Uberに次いで、Lyftも海外では人気になります。特に利用者よりも現地のドライバーからの支持率が高くUberとLyftを両方利用している人は8割を超えると聞きます。基本的なシステムは、Uberと同じです。利用の流れとしては、”Set destination”を押して、”Request Lyft”を押すと手配完了です。きちんと手配されているか心配になるくらい簡単です。
他のアプリとの違いとしては、ドライバーからの支持が高い点が特徴的です。ドライバーからの支持を得ているのは2つの理由からだと思います。
1つ目は、Lyftのアプリがナビゲートしてくれる点です。ドライバーは大抵ダッシュボードに自分のスマートフォンをセットして運転しています。画面をみえるようにしているのですが、行先までの道順がそこに表示されています。ですから、極端な話、言葉を一言も発しなくても目的地につけちゃいます。もちろん、乗車前におおよその料金確認もできますし、支払いも登録時のクレジットカードを使えます。
2つ目は、チップ機能です。車を降りたら、スマートフォンに「ご乗車ありがとう通知」が来ます。そこには、1ドル・2ドル・5ドル・otherのチップ選択があるのでボタンを押して支払い完了になります。
このように、ドライバー自身に支払われるコミッションがLyftは高く、利用者の質も良いため、ドライバーからの人気が高くなっています。
Grab
Grabは、日本での普及はまだまだこれからですが、シンガポールではすでに全域で配車サービスが展開されています。シンガポールは、配車サービスの激戦区であり、様々なプロモーションが実施され、価格競争が激化しています。
その中でも、現在、Grab Taxiがシンガポールで、Uberと同じくらいの普及をしています。Grab Taxiは、マレーシアで誕生した配車サービスで、その魅力は、低価格な料金と配車のスピードです。
アプリ内で、車を呼んでからほんの数分で配車されて、10分以内の乗車なら、料金は、400~500円程度です。しかも、頻繁に約400円引きのクーポンを発行しているので、無料で乗れちゃうこともあります。
あまりに安くて早くて便利なので、子供の学校や習い事・塾の送迎なども、あえてバスではなく、Grab Taxiを利用するママもいるほどです。
また、特徴としては、需要と供給によっても値段設定が変わり、雨の日や早朝などは値段が割高になります。シチュエーションやエリアによって、タクシーや配車サービスとを使い分けたほうが良いと考えます。
BlaBlaCar
BlaBlaCarは、現在ヨーロッパを中心に、インドや南米など22か国を中心に進出しており、パリの本社のほかに15か所の海外拠点があります。
サービスの流れとしては、ほかの配車サービスとそれほど違いはありません。利用者のターゲットが変わってきます。
UberやLyftは、市街地での利用者がターゲットで、近距離のライドシェアがメインです。
しかし、BlaBlaCarは、短距離でのシェアではなく、中距離、長距離のライドシェアリングをターゲットにしています。具体的には、片道100㎞~1000㎞の移動に使います。
また、配車サービスのドライバーは、タクシーやハイヤーを退職した人がなっていますが、BlaBlaCarのドライバーは、一般人という点も特徴です。そのため、ドライバーになるのも簡単でネット上の質問に答えて犯罪歴などの履歴のチェックに問題なければ、誰でも登録できます。
料金は、グリーン、オレンジ、レッドで色分けされています。グリーン表示は、高速代やガソリン代など車両使用量の合計をドライバーに支払う金額で、原価になります。ドライバーは、利益を増やしたいときグリーン価格を基準に、最大
150%まで価格設定ができます。最大価格がレッドで、グリーンとレッドの間がオレンジ価格になります。
ドライバーのうち約7割がグリーン表示で配車を行っています。ヨーロッパ圏で長距離移動する際は使ってみるのもいいかもしれません。
Mobike
Mobikeは、世界最大の自転車シェアリングサービスです。2016年4月22日に上海市で実施されて以降、中国を中心に100以上の都市で利用されています。1日の利用回数はピーク時で2500万回、登録利用者数1億人、運用されている自転車の台数は500万台を超えるなど、中国が台風の目となり急速に成長しています。
最大の特徴は、駐輪スペースであれば、どこに止めても自由な点にあります。乗り捨て自転車とも言われています。Mobike専用の自転車は、モバイルネットワークとGPS通信用のモジュールを搭載しており、停車位置をリアルタイムで把握できます。利用には、自転車に取り付けられたQRコードを専用のスマートフォンアプリで読み取り、アプリ上で決済すると鍵がアンロックされる。使用後は、フリーの自転車として他のユーザーが利用することができます。
自転車は4年間のメンテナンスフリーを実現しており、非常に頑丈に作られています。空気要らずのパンクレスタイヤを採用しているのもよく考えられています。ブレーキはディスクタイプで、駆動部はチェーンではなく自動車と同じドライブシャフトを採用しています。また、サドル部分は簡単に調整できるようになっているものの、盗難防止としてフレームから外れないように工夫されています。1つ1つ細部までこだわった設計が素敵です。
決済手段は、中国では「WeChat Pay」を使用しています。シンガポールやイギリスでは、クレジットカードや「PayPal」「Apple Pay」などに対応しています。日本では、主流のモバイル決済サービスがまだ存在しないため、出来る限りの決済手段を用意するとしています。中国での利用料は、1回あたり10〜20円と非常に安価で、同額とはいえないものの、日本でも“かなり優しい価格”で展開するとしています。
日本では、福岡に続き札幌でもサービスを展開すると発表があります。しかし、500万台を超える中国と同じ量を日本で展開することはないと言われています。行政・市民・民間パートナーが快適にスタートできるように心がけて進められていくと思われます。
まとめ
今回、ライドシェアアプリを比較してみて、各地域の特性や各サービスの特徴も違ってくることが分かったと思います。
それぞれの地域に適したシェアリングのサービスを使ってみてはいかがでしょうか。旅先だけでなく、日常でシェアリングライドを使うのもいいかもしれません。
「所有の時代からシェアする時代」の変化の移り変わりを体感するアプリのリリースが続いています。シェアリング業界はこれからも、発展すると言われており、今後も急速にサービスが展開されていくでしょう。今後の業界の発展に注目です。
公開日:2018年7月1日